サブスクリプションビジネスは、各産業において多くの可能性を秘めている一方、未だ勃興 期といえるステージにあり、その社会的意義や経済効果、産業内での影響などについて、研究や調査が十分に及んでいない状況にあります。 こういった背景のなか、サブスクリプション総合研究所は、サブスクリプションビジネスについて中立的な立場で多面的に研究・著作・啓蒙活動をすすめております。
「サブスク会計学」ブログをご紹介します。
収益ベースの解約率のことをレベニューチャーンと呼びます。レベニューチャーンはグロスチャーンとネットチャーンがあります。ネットチャーンがマイナスのとき、ネガティブチャーンと呼びます。ネガティブチャーンは既存顧客が減少しているのに残った顧客からの収益だけで増収している状況をいいます。
解約率を用いてLTVを計算する時、無限等比級数の和の公式により単価を解約率で除するだけで求めることができましたが、ネガティブチャーンを達成すると解約率がマイナスなので、無限に発散してしまいます。つまり、ネガティブチャーンの達成はその企業が無限に成長する可能性を示唆しているのかもしれません。
サブスク会計は収益の質に拘る会計でもあります。定期収益は非定期収益に比べ安定的且つ継続的に獲得できる収益であるため予測可能性が高いだけでなく、外部環境の悪化による急激な需要減の影響を受けるまでに時間差があり、収益の変動幅が小さいことから、 固定費を安定的にカバーし、突然に赤字に陥るということを回避しやすいという特徴があります。
売り切りビジネスであっても顧客が固定化すれば収益が継続的に繰り返し発生し定期収益のような性質を持つようになります。つまり顧客との関係性によって収益は定期と非定期の分けられるということです。
顧客との関係性によってセグメントを分けた管理会計として固定収益会計というものがあります。固定収益会計を応用することで売り切りビジネスも顧客との関係性次第でサブスクビジネスに再定義することが可能になります。
当社発刊の機関誌「Subscription YOU」をご紹介します。